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小布施町の地域おこし協力隊の日々のあれこれ

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【考察】「バカの壁―養老 孟司」から見る現代人としての考え方 続き

   

バカの壁

今回は、続きの第5章から、個人的に面白いなと思った考え方をピックアップしています。

(第1章〜第4章まではコチラ

第5章:無意識・身体・共同体


「身体の扱い方が分からなくなった脳化社会のあべこべ加減」

知行合一:知ることと、行うことが一体であるという考え方。
今の現代人は入力(知)ばかりが多くなって、出力(行)が少ないのだという一文。
これは、”脳で考えることなく、身体が反射的に動く様に意識をする”、ということをしなくなっているということなのでしょう。
もっと分かりやすく言えば、教科書や書籍などで知り得た知識を自ら実践し、自分の身体で体得しなくなっている人が増えているのですね。

身体で分かっているから咄嗟の時にその知識が使えるのであって、頭だけで理解出来ていてもきっとほとんどの人がそれを身体では表せないと思います。

また、共同体の項目については共同体が機能していないから、今「人生に意味を見い出せない現代人が増えている」という問題についても論じられています。

ちなみに共同体とは同じ民族であるという仲間意識的なものだと考えられますよね。
その共同体の中に存在する、人間同士の貸し借りといった部分や、そこから生まれる恩義、周りの人に何ができるか、というのが人生の意味になるのだということ。
次の世代へ残していくべきことだったり、そういったことです。
つまり、今は会社や小さな単位の共同体の考え方しかないから、大事な部分が見えなくなってしまっているのですね。

そして無意識の問題。
私たちは寝ている時間の無意識の時間を全く無視しているということ。
無意識の状態でも身体は動いている、そういったことも考慮して自分の生活リズムを考えるという事をしていないのだということでした。
無意識を意識するって難しいですが、そんなつもりないのに無意識に身体に反応が出ることってありますよね、そういった事を理解してあげることが自分を知る方法でもあり、とても大事なんですよね。

 

第6章:バカの脳


「頭の良し悪しは何で測るべきかは非常に難しい問題」

頭が良い、悪いの判断とは、脳のシワが多いからとか、記憶力が良いからとかそういったことでは判断できません。
何故ならば、往々にして一方が秀でていればどこか一方で劣る部分があったりするからです。
社会的に様々な場面で対応が出来るバランスの取れた脳の持ち主や、脳のある部分をコントロールして力を発揮する事が出来る芸術家やスポーツ選手など、様々なタイプの脳の人間がいます。

結局は絶対、誰しも得意な分野、不得意な分野を持ち合わせているという事なんだろうと思える章でした。

犯罪者の脳について、オタクの脳についての項目もありましたので、興味のある方は実際に本を手に取ってみてくださいね。

第7章:教育の怪しさ


「サラリーマン化している教師」

この章では鋭い指摘が多数見られます。
今の先生方は校長やPTAや文部科学省、親御さんの顔色を窺いながら仕事をしているのだと言及されています。
今の社会において、自分の信念に忠実になんてとてもじゃないができなくなっているのだという事。
金八先生の様な、一見荒削りの様に見えても本当に信念を持って教師を全うしている人が埋没してしまう世の中は何とも世知辛いですね。

また、現代の子供達は現物からの学びが少なく、様々な事がバーチャルになっている故の想像力の欠如を嘆くエピソードもありました。
親からしたら”危険だから”とかそんな理由なのでしょうが、外に出たりして体を使わない子供達が目立つのも今の特徴ですよね。彼らは決して運動嫌いなわけではないのだという事。

勝手にこどもたちを制限してしまっているのは大人であり、私たちはもっと教育について考えていかなければいけない事があるのではないかと感じさせられました。

第8章:一元論を超えて


「現代社会の三分の二が一元論者」

一元論とは一神教的な考え方などを指します。
元来、日本には八百万の神の考え方を持っていました。それが最近は一神教的な考え方に傾倒していると著者は懸念しています。
何故なら、都会的で頼るものを求めている弱い人間になってしまっているからだという事なのです。
百姓などは土地という基盤を持っているから強い。それは「食」という、生きる事に直結しているから。

なるほど、非常に納得させられる章でした。
一元論的・一神教的な考え方は他者を受け入れないで、これはこうだと決めてかかりますが、二元論的・多神教的な考え方であれば、一方でこういった考えもあると許容する範囲が広がります。

勿論、宗教は否定しませんが絶対こうだと譲らない考え方はあまり平和的ではないですよね。
相手の考え方も受け入れ、調和しながら社会に生きていくことが非常に大切であることを知ることができました。

まとめ

 

さて、後半は第5章から第8章まで所感を述べて参りました。

1章から最終章まで読了しまして・・・、
社会的なテーマが随所に散りばめられ、現代社会に生きるわたしたちにとって、現在どんな状態に陥ってしまっているのか。また何が大切で、今後どんなことを守っていけば良いのか、そんなことを一回一回考えながら読み進める、そんな著書でした。

自分を知るきっかけとして、一読してみると新たな発見もあり面白いかもしれません。

では、またー。

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