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【考察】「バカの壁―養老 孟司」から見る現代人としての考え方

      2016/02/15

バカの壁

「バカの壁」作者:養老孟司
2003年大ベストセラーになった本ですが、現在2016年、13年経った今読んでみようと思い立ち読了しました。

小項目が1〜2ページでまとまっており、その調子のままテンポ良く進むので、非常に読み易い本でした。

<解剖学者/医学博士/北里大教授/東京大学名誉教授>
という肩書きを持つ方の書籍としてはとっつきやすい内容だった事がベストセラーになった要因の一つでもあるのかもしれないですね。

第1章から、個人的に面白いなと思った考え方をピックアップしていきます。
(第1章〜第4章まで。続きはコチラ

第1章:「バカの壁」とは何か


「説明したからってわかることばかりじゃない」

テレビやインターネットなどで雑多な知識を沢山得ている私達現代人ですが、その情報はある一部分に過ぎないという事をわからず、知った気になっている人が多すぎるという内容でした。(意訳しております。)

ニュース一つとっても開示された情報の裏側に隠された事実や、その現場における感覚的なものなど様々な要因があるからこそ、ある事象について言葉一つで説明しきれるものではないのだという事。

恐らく出来る限り五感で体感し、様々な角度で見る事が本当の理解に繋がるのですね。
という事は私達がインターネットで分かっている気になっているものに対しては気をつけるべきだと考えさせられる章でした。

第2章:脳の中の係数


「y=ax:行動=係数×情報」

脳への入力と出力に関してのお話が印象的でした。
脳へ入力された情報xに、aという係数を掛けて出た反応がyの行動なのですが、注目すべきはこの「a」という係数。
筆者はこのaを「現実の重み」と考えています。

要は、与えられた情報がその本人にとって現実として受け入れるものなのかどうかによって出力される行動が変化するという事なのです。

同じ情報を見せられても人によって全然異なる反応を示すのはこの「a」の大きさの違いという事。
aはプラスにもマイナスにもなりえます。マイナスに振れれば嫌悪感という反応などが表れる。
逆に無反応な人は係数が限りなく0に近いという事なので”それ”に対して興味がないんですね、納得です。一番厄介なのはこの0かもしれません。

とても分かり易く、自分を知る指標として使えるこの一次方程式。
自分がある物事に対し強く反応している時には「a」の値が大きいのだという風に冷静に見る事が出来ますね。面白い章でした。

さて、第3章に参ります。

第3章:「個性を伸ばせ」という欺瞞


「やたらと求められる”個性”」

今、個性個性と求められる世の中になってきています。まるで人と違う事をしないと悪いみたいですよね。
この事に対して、ズバッと筆者が物言いをされているのがこの章です。

元来、人間の脳は共通了解を広げる事で進歩してきた様です。
言語があるのも、それを文字としているのも、そう思えば世の中に存在する物のほとんどは他人にも伝わる形で残っていますね。

個性はその生まれ持った体に与えられている。
無理に個性を伸ばす事よりも人の気持ちを分かる様になる事の方がよっぽど大切だし、文明の自然な流れだという事です。

全員が個性的でいようと思っていたら、SNS等はまず流行らないですから、結局共通了解(より、多くの人と共感したい)という概念が刷り込まれている表れなのでしょうね。

第4章:万物流転、情報不変


「人や人生は変わるもので、情報は変わらないもの」

この章で大切な事実に気付かされました。
情報は絶えず新しい事柄を発信し続けているので、
情報とは変わり続けるものだと勘違いをする人が多いという事。

発言した言葉や昔の雑誌は、記録・保管さえすれば永遠と”今”に一言一句変わらず残る存在となる様に、その時リアルタイムで発信された情報自体は新しいが、一度発信された情報自体はその時から変わる事がないので古くなっていくという事実。

一方で、人間は変わりゆく存在である
という、この真理。

「私は私」という言葉のその表面的な意味に囚われて人は変わらないと思い込んでいるのですが、昨日の自分と今日の自分が違う様に、人は常に変化する生き物であるという事。
だから、昔に発した一言一言は永久に変わる事のないものだけれど、その瞬間の考え方や捉え方や発言などは刻々と変わり続けているという事。

と、いうわけで

自分の言動に責任を持つ

この言葉の意味が本当に腑に落ちた気がしました。

一度してしまった発言、行動は不変だからこそ、重みがあって責任を伴うものなのだと。

一言一言、公約ですら軽んじられる現代ですが、たった一言の影響力をもう少し考えた方が良いのだろう、とそんな事を考えさせられる内容の詰まった4章でした。

まとめ

 

さて、第1章から第4章まで所感を述べて参りました。
人として大事なヒントが散りばめられていて、ハッとする箇所が毎章出てきます。
続きの第5章から第8章はコチラ

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